質の良い睡眠は目の疲労感を解消することに繋がります

どうしても観たいテレビや映画があって、睡眠時間を削ってまで鑑賞していませんか?最後までちゃんと観ていたいと思う気持ちはとてもよくわかります。けれど、映画などを観た後に十分な睡眠がとれていないとなんだか身体全体がだるく、目もごろごろした感じがするかと思います。これは睡眠不足によって疲れがとれていないために、翌日になってもそのまま倦怠感が残ってしまっているということなんです。

人間の一生のうちのおそよ3分の1は睡眠時間に費やされています。つまり一生が60年間なら約20年、80年間なら約25年ほどは眠っているのです。これだけの時間を要するということは、睡眠が人間にとってどれだけ重要なものなのかがよくわかりますね。しかし、なぜこれだけの時間を使ってまで人は睡眠を取るのでしょうか。睡眠にはずばり身体全体を修復する役割があるからです。

睡眠の中でも、特にノンレム睡眠のときは成長ホルモンがより多く体内に分泌されます。成長ホルモンは背を伸ばす効果があるだけではないのです。成長ホルモンは古くなった身体全体の細胞を治したり、つくり変える働きをしてくれます。これによって肌や身体全体の組織が若々しく保たれ、老化の促進を防ぐことができるのです。睡眠が女性にとって大切と言われることもうなずけます。

もちろん成長ホルモンは目の細胞のつくり変えにも大いに貢献してくれます。きちんと睡眠を取って成長ホルモンを促せば、ずっと健康的な目を維持できるということです。睡眠不足になるとこのつくり変えが追いつかず、細胞も古いままになるので目の働きを鈍らせることになってしまうのです。

また、睡眠はストレスを解消する効果もあります。「一晩寝たら嫌なことがあまり気にならなくなった」という経験はないでしょうか?ストレスを感じているということは、脳が疲労している状態です。睡眠を取ることで脳を休ませることができるのでストレスも緩和されるのです。逆にこの睡眠が不足すればストレスは脳に残ったままです。嫌なことも忘れにくくなりますから、そのストレスによってうつ病など深刻な病気に発展してしまうおそれが出てきます。

それからストレスは自律神経を乱し、副交感神経の働きを阻害します。そうなると交感神経が張りつめた状態になるため目が休まらず、負担がかかりっぱなしになるので疲れ目や眼精疲労になってしまうことがあります。心だけでなく、目にとってもストレスは害悪でしかないということですね。以上のことから、睡眠がいかに人間の健康と密接なのかがわかるかと思います。

電気がない時代では、太陽が沈んで辺りが暗くなれば仕事もできないことがほとんどでしたから、夜の時間には人は眠っていました。しかし、電気がある現代では夜でも関係なく活動ができます。それだけ身体を休める時間が減り、今ではスマートフォンなどが普及しているためにさらに睡眠時間の減少が加速しています。そして睡眠不足によって健康を害する危険性も比例して増しています。こうした状況だからこそ、一時的にでも自分に負担をかけるものから遠ざかる必要があるのです。

目を休め、かつ最善な状態に修復するには睡眠をしっかり取ることがもっとも最適な方法です。仕事が忙しく、寝る時間を削って処理しなければならない問題もあるかと思います。そういう場合でも徹夜をすることは控え、少なくとも3時間の睡眠は取るように努力してください。目を休めるだけでなく心も休めることに繋がりますから、睡眠は極力削らないように心がけてください。