使い続けて疲れた目は冷やすものではなく、温めるものなんです!

目に疲れを感じたとき、目の辺りを濡らしたタオルで冷やしていませんか?それではあまり目の疲れは取れません。というのも目の疲れは筋肉が凝り固まっていることによって生じているからです。インスタントラーメンを想像してもらえればわかりやすいかと思いますが、硬い麺を柔らかくほぐすときにはお湯を注ぎますよね。それと同じように考えてください。硬いものをほぐして柔軟な状態に変えるためには、温かくすることが一番なのです。

目の周りには筋肉の他にも様々な神経が巡っています。目の周囲にある神経は外転神経、滑車神経、動眼神経の3つです。これらが正常に働くことで目の筋肉がスムーズに動き、物を見ているというわけなんです。中でも動眼神経の仕事は多く、目を開くという動作、ピント合わせ、そして瞳孔の大きさを変えて適切な光の量を取り入れることを筋肉に命令しています。

しかし物を見続けることで動眼神経が発する命令が多くなり、筋肉が過剰に使われるとその筋肉が緊張し続けます。そのため筋肉が硬くなり、疲れ目や、ひどいときは眼精疲労の原因となってしまうのです。ですから仕事で目を働かせ続けることは筋肉も神経も疲労させてしまうということなんです。こうした疲労を解消させてやるために何が良いのかと言うと、さきほど説明した「温める」ということなんです。

動眼神経は副交感神経に密接にかかわっています。副交感神経はリラックスした状態のときに活発になり、身体を休める働きを促してくれるものです。つまり、この動眼神経が温められると副交感神経にも作用し、リラックス効果が得られるということなんです。副交感神経が活発になると身体は修復を始め、筋肉も温められることによって柔らかくなっていくので目の疲労が改善されていくというわけです。

目を温めるときは蒸しタオルを使用するのが手軽かと思います。水に濡らし、電子レンジで温めるだけなので簡単ですしお金もかかりません。お風呂に入って身体をしっかり温めることも効果的です。湯船で全身の血行を良くしておけばそれだけ目の筋肉がほぐれやすくなりますから、お風呂に入るときはなるべく湯船をはるようにしておきましょう。それに現在は目を温める目専用のマスクも市販されていますから、仕事帰りに買って家で試してみるのも良いですね。

それから目の辺りを温めることはクマにも効果的です。目を使いすぎて筋肉が凝り固まると血行不良が生じ、その症状は目の下辺りに紫色のアザのようなものになって現れます。しかし温めてあげれば血液の流れが良くなりますから、クマが解消されやすくなります。日頃クマに悩んでいるようであれば、目の疲れもクマも取れて一石二鳥だというわけなんです。

けれども仕事場で蒸しタオルを用意することはできませんよね。ですから、仕事場では休憩の合間に目をこまめに動かして体操をし、家に帰ってから蒸しタオルやホットアイマスクなどを利用して目を温めてあげましょう。仕事の隙間時間に目の筋肉をあらかじめほぐしておけば、夜に温めるときもずっと筋肉がほぐれやすくなります。この後すぐに布団に入ればなお効果的です。副交感神経は睡眠時にもよく働いていますから、しっかり眠れば目の回復に繋がるのです。

目の痛みや疲れを感じたときには我慢は禁物ですよ。我慢した結果、疲れが抜けきらないために能率が上がらず、仕事に支障が出てしまうこともあります。目が疲れたときは無理をせずに休息を取りましょう。日頃目は物を見るために使い続けられていますから、休めるときには大切扱うようにしてあげてくださいね。